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フィリピン人とフェスタ [仕事編]

前回テリトリープライドについて述べたが、今回はフィリピン人の地域主義について私見を語る。

日本でもそうだが、祭礼になると地域が異様に盛り上がる。
格差が開いてきたといわれる日本だが、その反動の様に、こと祭りとなると地方にも活気が戻り、人々の顔もいきいきと輝いてくる。

「昔程じゃないさ」、と土地のお年寄りたちは言うが、まだまだ地方の祭りはそれぞれ独特の特色があって、見ていて楽しい。
フィリピンも主要な祭りは日本と同じように、『神』もしくはその使いを祭神に掲げて行列をしたり踊ったりする。
見ていて華やかで、といっても男の性で女性しか目に入らないのであるが、結構飽きなくて楽しい。

あとあるのはバランガイを中心とした、個々の小さなフェスタである。
これこそが今日の主題だ。

フィリピンは、国全体が42,000弱のバランガイから構成されている。
バランガイとは、最小行政単位の自治体組織であるが、その期待されている役割は日本人が考えているより遥かに大きい。
その長(おさ)は選挙で選ばれ、バランガイキャプテンと呼ばれている。
そのキャプテンを中心に自治組織も警察とは別に構成され、独自に地域内のパトロールの他、軽犯罪や近所、家族の揉め事まで携わっている。

日本人でも、この国の人と結婚した人が、揉め事から家族に暴力を振るった、とかで、このバランガイのお世話になるケースも結構耳にする。
夫婦、家族であっても簡単に訴訟に走るのがこの国の特色だ。

話が逸れたが、要するにそのバランガイに所属する以上、そのルールを守るのはもちろん、同住民から嫌われるようなことがあると、殆んど死を意味するようなものである。
日本でいう村八分だが、残念ながら今の日本で地方においても、先述の通り祭礼の時意外は、人々の干渉が薄くなってきている。
ここフィリピンではまだまだ濃厚にそれらが生きており、現役で衆知監視が機能しているといっていい。
但し隣のバランガイと喧嘩になった場合、バランガイ同士で喧嘩ということも多々あり、珍しくない。
要するに地域の住民の密着度や繋がりは日本の現在のそれと比べると、想像できないほど固いというべきである。

さてフェスタ、これが我が社の従業員の皆さんの、住居であるバランガイで行われるとなると話は別だ。
とたんに私の頭が痛くなってくる。
『勝手』、とは言わないが、とっとと有給休暇を取って休んでしまうのだ。
地域の大事なフェスタなので、出ないで仕事に行くとなると皆からひんしゅくを買うのかどうかは知らないがが、溜まったものじゃない。

そうなると私は、「あーまたまた納期がー」と頭を抱えてしまう。
一つのバランガイから三人来ていると三人とも休んでしまう。これではもうお手上げだ。
ご丁寧に他の奴までもが定時で帰ってしまう。
いわゆるお呼ばれに行くのである。
『他の人間まで誘うな』と言いたいのだが、呼ばれるほうも呼ぶほうもこれが楽しみなので私では干渉出来ない。

そこで疑問、何で日曜日にフェスタをやらないの???

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