英造がゆく ~呂宋漂流記~ 其の八 [フィクション]
英造は電話を切ると、先程の暗雲がさっと消えて、頭の中に虹が掛かってきた。
トニーが、何とか絵に描いてくれるようなので、こうなれば逆にラッキーであろう。
前回の飛比で、持金、全部使ってしまっているのだ。
結婚の手続きのために、飛比を急がなければならないが、先立つものはない。
数ヶ月は飲み食いを控えて、貯蓄を始めなくてはと覚悟していた所だ。
そこに来て、親父のフィリピン同行ということにでもなると、一石二鳥ではないか?
うまく親父を説得できれば、結婚の手続きもすんなり行えるかもしれない。
英造は、ほくそえみながら、親父の豪造が漁協から帰ってくるのを、待ち受けることにした。
千葉の房総半島といえば、昔から捕鯨で有名な所だ。
今は廃れたが、豪造も昔は捕鯨船に乗り、豪快な鯨漁に参加したものだ。
それが今では、昔の同僚などは、観光定置網船などを扱うようになってしまい、このままでは、どんどん漁が廃れていくように思えてならない豪造であったのだ。
そこに来て、英造の軟弱ぶりを見ていて、正直がっかりしていたのだが、あの英造が、まるで目覚めたように自分の意思を継いでくれそうなをことを言ったので、豪造は、嬉しさを隠せなかった。
本心を知れば、卒倒するかも知れないが・・・・・
英造は待ちくたびれていたが、豪造は夜遅くなって家に帰ってきた。
帰ってくるなり、
『ヒデ、おいヒデはおらんのか?』
と叫ぶように云った。
英造は、飛び出しようにして自分部屋から出た。
『どうしたんじゃ、親父!』
『喜べ!わしがのう、漁協でお前の話をしたら、組合長をはじめ、皆が賛同してくれて、それなら漁協でツアーを組んで、みんなで行こうということになったんじゃ!』
『ひぇっ!』
英造は、魂がひっくり返るくらい驚いた。
『す、す、す、すると何かい親父、み、みんなで行くのけ?』
『おうよ、組合長はじめ、最低でも7~8人は固かろう、皆でフィリピンの漁を堪能するんじゃ、こりゃあ楽しみじゃわい、おっ、そうじゃった、丁度源じいもおってのう、源じいにも声を掛けたら、喜んで付いて行くと云いよったぞ!』
『げげえっ・・・・・』
英造は、心臓が止まりそうになった。
源じいとは、本名を源三と言って、年も80近いくせに底抜けの大酒のみで、しかも喧嘩が早いときていて、気の荒い漁協の組合員の中でも、相当な暴れん坊のじいさんだ。
英造にとっては、大の苦手で小さい頃から、悪さをすると、決まって源じいの所に連れていかれた。
源じいは、英造を縛った上、木から吊るしたりして折檻をする。
源じいは、近所の親連中から頼まれると、進んでそういう役目を担った。
要するに、子供たちから恐れられる存在として、地域では尊重されてきた。
現に、子供たちの誰もが、源じいのことを恐れて、親の言うことに従ったものだ。
英造は、源じいのことを、鬼源、鬼源と呼んでいた。
鬼の源三と云う意味であろう。
(他の人はともかく、あの鬼源まで行くのか・・・・・)
英造は、気が遠くなった。
セシルの顔が浮かんできたが、この分ではどうなることか・・・
話が意外な方向に動いていったので、英造も戸惑っているが、作者の方もまごついてきた。
こうなると、いつもの手を使うに限る!!
続くと・・・・・・(爆)
皆さんも入ってね!!!
トニーが、何とか絵に描いてくれるようなので、こうなれば逆にラッキーであろう。
前回の飛比で、持金、全部使ってしまっているのだ。
結婚の手続きのために、飛比を急がなければならないが、先立つものはない。
数ヶ月は飲み食いを控えて、貯蓄を始めなくてはと覚悟していた所だ。
そこに来て、親父のフィリピン同行ということにでもなると、一石二鳥ではないか?
うまく親父を説得できれば、結婚の手続きもすんなり行えるかもしれない。
英造は、ほくそえみながら、親父の豪造が漁協から帰ってくるのを、待ち受けることにした。
千葉の房総半島といえば、昔から捕鯨で有名な所だ。
今は廃れたが、豪造も昔は捕鯨船に乗り、豪快な鯨漁に参加したものだ。
それが今では、昔の同僚などは、観光定置網船などを扱うようになってしまい、このままでは、どんどん漁が廃れていくように思えてならない豪造であったのだ。
そこに来て、英造の軟弱ぶりを見ていて、正直がっかりしていたのだが、あの英造が、まるで目覚めたように自分の意思を継いでくれそうなをことを言ったので、豪造は、嬉しさを隠せなかった。
本心を知れば、卒倒するかも知れないが・・・・・
英造は待ちくたびれていたが、豪造は夜遅くなって家に帰ってきた。
帰ってくるなり、
『ヒデ、おいヒデはおらんのか?』
と叫ぶように云った。
英造は、飛び出しようにして自分部屋から出た。
『どうしたんじゃ、親父!』
『喜べ!わしがのう、漁協でお前の話をしたら、組合長をはじめ、皆が賛同してくれて、それなら漁協でツアーを組んで、みんなで行こうということになったんじゃ!』
『ひぇっ!』
英造は、魂がひっくり返るくらい驚いた。
『す、す、す、すると何かい親父、み、みんなで行くのけ?』
『おうよ、組合長はじめ、最低でも7~8人は固かろう、皆でフィリピンの漁を堪能するんじゃ、こりゃあ楽しみじゃわい、おっ、そうじゃった、丁度源じいもおってのう、源じいにも声を掛けたら、喜んで付いて行くと云いよったぞ!』
『げげえっ・・・・・』
英造は、心臓が止まりそうになった。
源じいとは、本名を源三と言って、年も80近いくせに底抜けの大酒のみで、しかも喧嘩が早いときていて、気の荒い漁協の組合員の中でも、相当な暴れん坊のじいさんだ。
英造にとっては、大の苦手で小さい頃から、悪さをすると、決まって源じいの所に連れていかれた。
源じいは、英造を縛った上、木から吊るしたりして折檻をする。
源じいは、近所の親連中から頼まれると、進んでそういう役目を担った。
要するに、子供たちから恐れられる存在として、地域では尊重されてきた。
現に、子供たちの誰もが、源じいのことを恐れて、親の言うことに従ったものだ。
英造は、源じいのことを、鬼源、鬼源と呼んでいた。
鬼の源三と云う意味であろう。
(他の人はともかく、あの鬼源まで行くのか・・・・・)
英造は、気が遠くなった。
セシルの顔が浮かんできたが、この分ではどうなることか・・・
話が意外な方向に動いていったので、英造も戸惑っているが、作者の方もまごついてきた。
こうなると、いつもの手を使うに限る!!
続くと・・・・・・(爆)
皆さんも入ってね!!!
2009-03-06 07:16
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コメント(10)
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話がどんどん飛躍して作者は辛いと思います・・・(プッ
漁業組合員一同様比国ツアーご案内~・・・
英造とセシルのラブ゙ロマンスなんですよね?
障害があるほど燃え上がると言われていますからどんどん拡げてください・・・(笑
by 熱意が・・・ (2009-03-06 10:39)
Kawachangさん
確かに辛いです!(笑)
これも、筆のなせる業ですね・・・
さて、どんな障害が起こるのか?
明日をお楽しみに!!
by moimoi (2009-03-06 11:08)
鴨ねぎトラベルご一行様
トニーが熱烈歓迎いたします
by on (2009-03-06 12:54)
onさん
さて、鴨にされるような柔な連中でしょうか?(笑)
明日の更新を、お待ち下さいやし!!
by moimoi (2009-03-06 14:03)
トニーさんは漁協一行様にいかなるフィリピン式漁をお見せするのでしょう
か?
ダイナマイト式漁だったりしてw。(爆
by shiNji (2009-03-06 21:14)
鬼源がフィリピンでなにかやらかしそうですね!
ミイラ取りがミイラ?かな!?^^;
by いけ麺 (2009-03-06 23:08)
鬼源がフィリピン行ったらセシルちゃんの心臓、止まっちゃいませんか(汗
ハチャメチャなツアーになりそうですね?(>_<)
by T360 (2009-03-07 06:26)
shiNjiさん
それは私も考えましたが、採用するかどうかはまだ考えていません!
どうしましょう?(笑)
by moimoi (2009-03-07 08:01)
いけ麺さん
その為に、登場したとも言えそうですね!(笑)
しかし、どんな活躍を見せてくれるのか、私も楽しみですが、来週はいつ更新できるやらです・・・
by moimoi (2009-03-07 08:03)
T360さん
あ~、持って逝かれちゃった!(笑)
駄目ですよ、ネタばらしちゃ・・・
by moimoi (2009-03-07 08:05)