幕末ピンパブ物語 呂宋編 第四回 [フィクション]
大橋は、大鼾で船内に横たわっている。
その鼾の振動で、船がびりびりと揺れるほどだ。
松五郎は、その姿を見てほくそ笑んだ。
(この男、このままでは済む筈がない、これで調理長は俺のもの、イヒヒ・・)
何も知らずに大橋は、朝まで鼾を掻きながら寝てしまった。
結局大橋は、翌日の昼過ぎまで眠ってしまった。
何しろ松五郎が酒に入れた眠り薬は、伊賀特有の秘薬で、大人五人分に匹敵するシロモノだった。
それを松五郎は、全部入れたのだ。
さしもの大橋も、堪ったものではない。
余程、調理長の座が欲しかったに違いないが、普通の人間なら死んでいたかも知れない。
目の覚めた大橋は、一体何が起こったのか分からずに、横たわったままきょとんとしている。
神事屋がそれを覗き込んで、話し掛けた。
『うむ、目覚められたようですな!?』
『おお、神事屋殿、これは一体どうしたことでしょうか?』
大橋は、不審そうな顔をして神事屋に尋ねた。
神事屋は、夕べのことを全てを話して聞かせた。
『どひゃあ・・・・』
大橋は、いきなり起き上がって叫び声を上げた。
『さ、さ、さ、左様で御座ったか?拙者としたことが、こ、これは恥ずかしい・・・』
大橋は、さも後悔した様子で、穴があったら入りたいような顔をしている。
そこに、鴨野もやって来た。
大橋は、鴨野を見ると、手をついて謝ったのは言うまでもない。
そんな大橋に、鴨野は優しく諭してこう言った。
『大橋殿、貴殿の代わりに、今朝から松五郎が調理の指揮をしています、どうですかな、しばらく貴殿は謹慎されて、松五郎に調理を任されたら。。』
大橋は、一も二もなく、それを受けざるを得なかった。
『かしこまって御座る・・・』
そう言うと彼は、頭を抱えながら、謹慎すべく、船内の片隅へと立ち去っていった。
『大橋、敗れたり!!』
松五郎は、その姿を盗み見て、そう心の中で叫んで笑った。
月曜日に続く・・・
その鼾の振動で、船がびりびりと揺れるほどだ。
松五郎は、その姿を見てほくそ笑んだ。
(この男、このままでは済む筈がない、これで調理長は俺のもの、イヒヒ・・)
何も知らずに大橋は、朝まで鼾を掻きながら寝てしまった。
結局大橋は、翌日の昼過ぎまで眠ってしまった。
何しろ松五郎が酒に入れた眠り薬は、伊賀特有の秘薬で、大人五人分に匹敵するシロモノだった。
それを松五郎は、全部入れたのだ。
さしもの大橋も、堪ったものではない。
余程、調理長の座が欲しかったに違いないが、普通の人間なら死んでいたかも知れない。
目の覚めた大橋は、一体何が起こったのか分からずに、横たわったままきょとんとしている。
神事屋がそれを覗き込んで、話し掛けた。
『うむ、目覚められたようですな!?』
『おお、神事屋殿、これは一体どうしたことでしょうか?』
大橋は、不審そうな顔をして神事屋に尋ねた。
神事屋は、夕べのことを全てを話して聞かせた。
『どひゃあ・・・・』
大橋は、いきなり起き上がって叫び声を上げた。
『さ、さ、さ、左様で御座ったか?拙者としたことが、こ、これは恥ずかしい・・・』
大橋は、さも後悔した様子で、穴があったら入りたいような顔をしている。
そこに、鴨野もやって来た。
大橋は、鴨野を見ると、手をついて謝ったのは言うまでもない。
そんな大橋に、鴨野は優しく諭してこう言った。
『大橋殿、貴殿の代わりに、今朝から松五郎が調理の指揮をしています、どうですかな、しばらく貴殿は謹慎されて、松五郎に調理を任されたら。。』
大橋は、一も二もなく、それを受けざるを得なかった。
『かしこまって御座る・・・』
そう言うと彼は、頭を抱えながら、謹慎すべく、船内の片隅へと立ち去っていった。
『大橋、敗れたり!!』
松五郎は、その姿を盗み見て、そう心の中で叫んで笑った。
月曜日に続く・・・
2010-01-24 08:31
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コメント(14)
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とりあえず一件落着、無事に呂栄国に着けるのですかね・・・?
当時の船旅はどれほどの日時を費やしたのでしょうか?
当然船酔いもあったのでしょうな・・・(プッ
拙者もジェットコースターなるものは吐き気をも模様し、
呂栄国の女子とは物見遊山にでかけても、茶店で珈琲なるものを飲みながら
ビデオカメラなるもので容姿を写して時間を潰しておりました・・・(苦笑
かの国の女子は珍しさに歓声を上げながら手など振っておられました・・・(汗
by kamono (2010-01-24 10:30)
リアルですが
昨日もサボった松に変わって
兄さんがやってましたが・・・
かわいそうに・・・
by (´ρ`) (2010-01-24 11:08)
まるで現実のような描写でビックリですが(笑)
先日車の中で眼が醒めました・・・・・
その次は例の件でしたし・・・・・
眠り薬いれた野郎に本日はヤキをいれてクンロクぶちこんできやすは。
酒は皆さん控えめにしましょうね(涙)
by 大橋虎造 (2010-01-24 13:20)
いやいや、なんとも現実と同じような光景です。
imus兄さんが酔っ払って、次の日Yamachang様に諭される。
うーん。そんなことがあった様な無かったような?(爆
僕とYamachang様で奥様に大目玉を食らったこともありましたな(笑
by 馬造 (2010-01-24 13:25)
鴨野さん
>当時の船旅はどれほどの日時を費やしたのでしょうか?
え~、詳細につきましては、突っ込まない方向でオニガイします!(笑)
>当然船酔いもあったのでしょうな・・・(プッ
いずれ、誰かが何かを起こすと思われます!(謎)
>かの国の女子は珍しさに歓声を上げながら手など振っておられました・・・
なるほど、思い切り痛いですな!(爆)
by moimoi (2010-01-24 14:13)
とろ吉さん
リアル過ぎますな。(苦笑)
あまり迷惑を、掛けて欲しくはありませんが・・・
by moimoi (2010-01-24 14:44)
大橋虎造さん
松には、煮え湯を飲まされただけでなく、眠り薬まで飲まされたのですね。
>本日はヤキをいれてクンロクぶちこんできやすは。
今日も、来ないのでは無いでしょうか?(笑)
>酒は皆さん控えめにしましょうね(涙)
だいぼーじ!
ちゃんと復讐の機会を差し上げますから・・(爆)
by moimoi (2010-01-24 14:47)
馬造さん
>うーん。そんなことがあった様な無かったような?(爆
その現場を見ておけば良かったなあ、今日の記事の参考にしたのに・・(笑)
しかし、タイムリーな記事になりましたな。
明日は我が身の、松五郎です!(謎爆)
by moimoi (2010-01-24 14:51)
大橋殿は家庭内引き篭もりは得意なようですが、今回は船内片隅引き篭もりですか、早く実権回復をオニガイしたいですは、なにせ大橋殿の創作料理は絶品ですからね。(激望
by shiNji (2010-01-24 15:33)
神事屋さん
船内引き篭もりですか?(笑)
>早く実権回復をオニガイしたいですは
まあ、松は三日天下でしょうね!(爆)
by moimoi (2010-01-24 16:23)
おお!
松さんがポジション取り返しましたね(笑)
もしかして実話?(爆爆爆?
by こう平 (2010-01-24 19:48)
こう平どん
松の三日天下は続くのか?
これが実話になるのか?
謎は続きます!
明日をお楽しみに・・・(爆)
by moimoi (2010-01-24 20:38)
馬造殿が海に突き落とされるという展開だと予想してたのですが(爆
誰も落とされていなくて安心しました♪
伊賀者の松五郎殿の秘薬よりも、
拙者、甲賀者が作る秘薬はもっと効能が良いでござろう。(謎爆
(甲賀忍者は、諸国に散らばり情報を収集していたと言われています。戦国時代の日本では、他所から来た人間に対する警戒心が強かったので甲賀忍者は薬売りに扮していたと言われています。製薬技術が普及していなかったこの時代は、富山などの製薬が盛んな土地から各国を回って、置き薬売りをすることは珍しくなく警戒心を抱かれにくいという利点があったのです。)「忍者マイスター」より
by 菩薩 (2010-01-25 00:05)
菩薩さん
>拙者、甲賀者が作る秘薬はもっと効能が良いでござろう。(謎爆
なるほど、甲賀者の面目を掛けてのことですな!(笑)
しかし、もっと恐ろしい秘薬があったのですよ。
それは、今日発表されますが、伊賀、甲賀を超越しています。
お楽しみに・・・
なるほど、富山の薬売りは甲賀者ですか?
参考になります!
by moimoi (2010-01-25 05:35)