幕末ピンパブ物語 呂宋編 第九回 『奥方登場!』 [フィクション]
幾ら何でも、通信教育はなかろう!
作者も、呆れ果てた。
『冗談や、冗談やでえ、ほんまはうちの嫁さん、関西人なんですわ!』
『ま、まことで御座るか?』
鴨野は、相手のペースに乗せられて、ろくな挨拶が出来ないままそう尋ねた。
『そうですねん、三年前に極東地区の提督として、日本に行ったときに知り合いましてん。』
『す、すると奥さんは日本人?』
『へえ、そうだす。』
(人現関係設定が、えらく違うな・・・)
などとは、誰も思わなかった。
つまり、日本が諸外国の圧力に負けて開国をした時に、そのスペイン特使として来日したのが彼だ。
そこで今の嫁さんである、お蓮(れん)と知り合った。
お連は関西出身の商人の娘だが、幕府が諸外国とのコミュニケーションを円滑にするために、新しく開設した阿蘭陀&エゲレス語学学校の生徒に志願し、許されてそこに在籍していた。
スペイン特使のオスカルが、その学校を見学がてら訪問した際に、二人は出会いそして結ばれた。
それから三年、お蓮の喋る関西弁は、オスカルの日本語そのままになってしまったのである。
オスカルは、その後呂宋国の提督としてこの国に赴任したが、日本を離れる前に、幕府高官である阿部老中に、今回の黄金捜索について、個人的に依頼をしたのであった。
個人的ににと言ったのは、あくまでも今回の件が、祖先のラスカル提督の遺稿から見つかった賜物であるし、本国に報告すると、例え見つかっても、そっくり持って行かれる恐れもあるからである。
幕府も、個人から受けた依頼であり、その性質上、正式な発掘団は見送らざるを得なかった。
金銭的な余裕も無いこともさることながら、神事屋達に依頼したのも、そういう理由があったからだ。
オスカルの希望は、例えここに滞在しても、この秘事は、必ず口外して欲しくないと言うことである。
部下の耳にでも入れば、本国に通報されるとも限らない。
彼は、それを恐れたのである。
『詳しいことは、嫁さんが知ってますよってに、ちょっと待ってな、今呼んできますわ!』
オスカル提督は、そう言うと、軽々しく部屋を出て行った。
鴨野達は、呆然としてそれを見送った。
大国、スペインの提督というからは、顔つきの厳しい、重厚な人物を想像していたのだが、ちょっと拍子抜けした格好である。
暫くして、和服姿ならぬ、ハイカラな洋服姿の貴婦人が現れた。
『おほほほほ、蓮(レン)デラクルーズです、宜しゅうに・・・』
『おおっ!』
皆から歓声が上がった。
『こりゃまあ、凄いべっぴんさんじゃー・・・』
馬造は、声を上げた。
『レン・デラクルーズさんかあ、デラべっぴんさんじゃあ、こりゃあ、あははは!』
とろ吉も、嬉しくなって声を合わせる。
お蓮は、泰国からの貢物の帽子にもなる扇子を振り翳しながら、『おほほほ、有難う』と言った。
オスカルの嫁はんも、実に気さくな性格であるようだ。
『あのなあ、それでなあ、問題ゆうのは黄金の在処(ありか)やねん、古文書にはなあ、黄金は、当時の一味の首領である豊臣秀吉の政商であった、『山奥屋の鶴兵衛』が、オスカルの祖先であるラスカル・デラクルーズに戦いで敗れた時に、黄金と共に、姿を隠したとありますのや!』
お蓮は、続けざまに喋り続けた。
『その首領なあ、ここ馬尼羅から少し離れた秘境、安泰幌(アンタイポロ)に姿を隠したらしい・・・』
ええっ?、それって(駑)・・・・・続く・・・・・
作者も、呆れ果てた。
『冗談や、冗談やでえ、ほんまはうちの嫁さん、関西人なんですわ!』
『ま、まことで御座るか?』
鴨野は、相手のペースに乗せられて、ろくな挨拶が出来ないままそう尋ねた。
『そうですねん、三年前に極東地区の提督として、日本に行ったときに知り合いましてん。』
『す、すると奥さんは日本人?』
『へえ、そうだす。』
(人現関係設定が、えらく違うな・・・)
などとは、誰も思わなかった。
つまり、日本が諸外国の圧力に負けて開国をした時に、そのスペイン特使として来日したのが彼だ。
そこで今の嫁さんである、お蓮(れん)と知り合った。
お連は関西出身の商人の娘だが、幕府が諸外国とのコミュニケーションを円滑にするために、新しく開設した阿蘭陀&エゲレス語学学校の生徒に志願し、許されてそこに在籍していた。
スペイン特使のオスカルが、その学校を見学がてら訪問した際に、二人は出会いそして結ばれた。
それから三年、お蓮の喋る関西弁は、オスカルの日本語そのままになってしまったのである。
オスカルは、その後呂宋国の提督としてこの国に赴任したが、日本を離れる前に、幕府高官である阿部老中に、今回の黄金捜索について、個人的に依頼をしたのであった。
個人的ににと言ったのは、あくまでも今回の件が、祖先のラスカル提督の遺稿から見つかった賜物であるし、本国に報告すると、例え見つかっても、そっくり持って行かれる恐れもあるからである。
幕府も、個人から受けた依頼であり、その性質上、正式な発掘団は見送らざるを得なかった。
金銭的な余裕も無いこともさることながら、神事屋達に依頼したのも、そういう理由があったからだ。
オスカルの希望は、例えここに滞在しても、この秘事は、必ず口外して欲しくないと言うことである。
部下の耳にでも入れば、本国に通報されるとも限らない。
彼は、それを恐れたのである。
『詳しいことは、嫁さんが知ってますよってに、ちょっと待ってな、今呼んできますわ!』
オスカル提督は、そう言うと、軽々しく部屋を出て行った。
鴨野達は、呆然としてそれを見送った。
大国、スペインの提督というからは、顔つきの厳しい、重厚な人物を想像していたのだが、ちょっと拍子抜けした格好である。
暫くして、和服姿ならぬ、ハイカラな洋服姿の貴婦人が現れた。
『おほほほほ、蓮(レン)デラクルーズです、宜しゅうに・・・』
『おおっ!』
皆から歓声が上がった。
『こりゃまあ、凄いべっぴんさんじゃー・・・』
馬造は、声を上げた。
『レン・デラクルーズさんかあ、デラべっぴんさんじゃあ、こりゃあ、あははは!』
とろ吉も、嬉しくなって声を合わせる。
お蓮は、泰国からの貢物の帽子にもなる扇子を振り翳しながら、『おほほほ、有難う』と言った。
オスカルの嫁はんも、実に気さくな性格であるようだ。
『あのなあ、それでなあ、問題ゆうのは黄金の在処(ありか)やねん、古文書にはなあ、黄金は、当時の一味の首領である豊臣秀吉の政商であった、『山奥屋の鶴兵衛』が、オスカルの祖先であるラスカル・デラクルーズに戦いで敗れた時に、黄金と共に、姿を隠したとありますのや!』
お蓮は、続けざまに喋り続けた。
『その首領なあ、ここ馬尼羅から少し離れた秘境、安泰幌(アンタイポロ)に姿を隠したらしい・・・』
ええっ?、それって(駑)・・・・・続く・・・・・
2010-01-29 04:21
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コメント(18)
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もう早、金の話をしよりましたか。。。
山の仙人様登場でっか!?
今から紺手名2本降ろしますねん...ねむッ
by 押車提督 (2010-01-29 08:16)
>豊臣秀吉の政商であった、『山奥屋の鶴兵衛』が
時は江戸幕府末期ではなかったのですか・・・?
どうであれ「山のおやじさん」出番ですよ~・・・。
>安泰幌(アンタイポロ)に姿を隠したらしい
私はこの物語より早く訪れてることになりますね・・・(笑
何しろ屋敷に到達する前に数箇所の関所(?)で尋問を受け難儀しました。
下調べしておいた馬もたんび迷いおやじさんの案内を受けました・・・(苦笑
ところで財宝のありかはオスカル提督はご存知なのですか?(謎
先走り御免!
by kamono (2010-01-29 08:58)
『山奥屋の鶴兵衛』・・・
鴨野殿と同じですが、年代的に無理があるかと・・・
恐らく鶴兵衛さんの子孫となるのでしょう(爆
提督の奥方は、まんま関西のおばちゃんノリでした
気さくで美人でしたよ(笑顔
by 萬久 (2010-01-29 09:05)
オスカルさん
>今から紺手名2本降ろしますねん...ねむッ
朝早くから、ご苦労様です!
>金の話をしよりましたか。。。
奥様、いきなりでっせー!(笑)
>山の仙人様登場でっか!?
ご先祖様ですかねえ?(謎笑い)
by moimoi (2010-01-29 09:06)
なんとまぁ・・・・・
それしかいえねー・・・w
by (´ρ`) (2010-01-29 09:08)
鴨野さん
>時は江戸幕府末期ではなかったのですか・・・?
まあ、時代から考えて御先祖様でしょうね・・・(笑)
そのまま、幕末まで生きていたりして・・・(爆)
おやじさんの家は、行く度に迷います。
カーナビがあればと、いつも思います。(苦笑)
by moimoi (2010-01-29 09:10)
萬久さん
>年代的に無理があるかと・・・
あれれ、萬久さんまでが混同してる!(笑)
少し、書き方が悪かったかな?
>気さくで美人でしたよ(笑顔
でらべっぴんさんですもの!(爆)
by moimoi (2010-01-29 09:13)
とろ吉さん
>なんとまぁ・・・・・
うんうん
>それしかいえねー・・・w
・・・て、それだけかい?(爆)
by moimoi (2010-01-29 09:21)
ありゃ、わては何歳?
何方かが仰っていましたね。呂宋では「深く考えない」。
お~い!誰かいる~~?ね~え、わたしゃ朝ご飯食べたっけ~?
えっ!??食べた!????覚えがないけど~!
by 山奥屋の鶴兵衛 (2010-01-29 12:04)
ついに山のおやじ様の登場ですか。
楽しみですね。
光忘太師の登場はまだですか?(爆
by 馬尼羅 (2010-01-29 12:33)
前、第8回ですが杏屁令巣とは
妙齢の女性が甘い屁を・・・の所
こんな想像をして日本語訳をしたのでは?
まらの間に尼さん入れたり・・・
ったく、これだけでも楽しくて、おまけにゴールドが絡んで
ゴールドはパスポートが不要なのでぜひ日本へ・・・
by はっつ (2010-01-29 14:30)
山奥屋の鶴兵衛さん
ご先祖様なのか、はたまた不老長者の仙人様になられるのか分かりませんが、取り敢えず、考えるのはよしましょう!(笑)
>えっ!??食べた!????覚えがないけど~!
夜中の2時3時に起きると、朝飯を2度食べることがありますが何か?(爆)
by moimoi (2010-01-29 15:14)
馬造さん
>光忘太師の登場はまだですか?(爆
君に今日の、ローカルKTV招待券を贈ろう。
その時に、礼はさせて貰うよ!(うひひひひひ)
by moimoi (2010-01-29 15:19)
はっつさん
>こんな想像をして日本語訳をしたのでは?
すみません!
何も考えずに書きました(笑)
>ったく、これだけでも楽しくて
お喜び頂いて光栄です!
>ゴールドはパスポートが不要なのでぜひ日本へ・・・
いえいえ、呂宋に留め置いて、私が手にすることに・・・(爆)
by moimoi (2010-01-29 15:22)
山奥のおやじさんもご登場ですね(笑)
そろそろ作者さんの登場では?
どんな役で搭乗するか楽しみです(>_<)
by こう平 (2010-01-29 17:27)
押車殿をスペイン人に仕立てたために奥様を日本人にするなんぞ作者殿も苦心されておりますな。(笑
by shiNji (2010-01-30 00:33)
こう平さん
登場はするかも知れませんが、搭乗はしません!
だってこの時代に、飛行機はないのですから・・(笑)
>山奥のおやじさんもご登場ですね(笑)
次回、山奥のおやじさんの秘密が明かされる?(謎爆)
by moimoi (2010-01-30 00:53)
神事屋さん
>作者殿も苦心されておりますな。(笑
苦労するわけなど無いではありませんか?
全て気まぐれ、いいかげんに書いてますよ!(笑)
所で、神事屋さんの奥さんは、何人がいいですか?(爆)
by moimoi (2010-01-30 00:55)