幕末ピンパブ物語 呂宋編 第一五回 『神事屋の悲劇』 [フィクション]
『うひゃひゃひゃひゃ・・・』
神事屋が、思わず飛び起きた。
猛烈な、腹痛に襲われたのだ。
『かっ、厠(かわや)じゃー、かかか厠じゃー!』
もう、てんやわんやの大騒ぎである。
隣で寝ていた、リコのの身体を蹴飛ばして、便所めがけて飛び跳ねて行った。
数分後、少しすっきりした顔で戻って来たが、暫くするとまた腹痛が襲ってきて、すぐさに便所に駆け込むことを、十数回も繰り返さねばならなかった。
お陰で、リコもちっとも寝られはしない。
数分置きに便意が襲ってくるので、神事屋はここ数時間の内に、げっそりとやつれてしまった。
外でその様子を伺っていた三河屋は、その神事屋の慌てぶりを見て、声が出して笑うのを、堪えるのにもう必死であった。
(まことに、菩薩から貰ったこの甲賀秘伝の下し薬は良く効くわい、へへへ、神事屋ざまあみろ・・』
三河屋は、もう楽しくて仕方が無かった。
殺すとか何とか物騒な復讐とかよりも、三河屋はこういう復讐の方が、百倍も好きな男である。
もはや次なる手立てを考えて、神事屋を、どう苦しめるかを考えているくらいだ。
そうとも知らない神事屋は、原因不明の腹痛に悩まされ、とうとう厠で夜を明かす格好になった。
しかも、夜中に騒いだのと、明け方になっても厠を神事屋が独占していたことで、民家の家族から顰蹙を買い、可哀想なことに、そこを追い出される形になって、一行四人は再び旅の空に出た。
当の神事屋は勿論、騒ぎで寝られなかったリコや女達も、もうふらふらである。
しばらく道を歩いたが、今度は民家が全く見当たらなくなってしまった。
神事屋は、相変わらず下痢が止まらない。
時々林の方へ行き、腰を屈める作業を、幾度となく繰り返している。
亀よりのろい道中とは、このことであろう。
歩いても歩いても、次の民家が見つかるまでは、休むわけにはいけない。
地獄の行進は、炎天下の中、ずっと続けられたのである。
神事屋が、もはや脱水症状で意識を失なわんとした時に、その奇跡はおこった。
急に雲が掻き曇り、雷鳴が鳴り響き、凄まじい雨が降り始めたのである。
地獄に仏とはこのことだ。
神事屋は、すんでのところで意識を取り戻したのであった。
雨は、一刻ほどでやんだ。
神事屋一行は、元気を出して、また前へ前へと歩き始めた。
道は少々ぬかるんでいたが、先程の炎天下のことを思えば、遥かにましである。
その内に、次の民家も見つかり、一行は、そこに泊めて貰うことになった。
神事屋は、その汚れた身体をシャワーで洗い流し、横になり昨日からの疲れを取ることにした。
二刻程ぐっすり寝ると、今度はお腹が空いてきた神事屋だ。
リコに頼んで、民家の人間に食べ物を用意してくれるよう頼み込んだ。
しばらくすると、その民家の娘らしきおなごが、もち米を蒸かした饅頭なようなものと、薬にもなると言う地元の酒を用意して、神事屋の元にやってきたのである。
16~17歳位のそのおなごは、神事屋が見てもびっくりするほどの、綺麗なおなごであった。
これはこれはと思ったが、昨日の今日のことなので、自粛して食べる方にだけ専念することにした。
蒸かしたもち米のお菓子は意外に美味しく、地元の酒は胃の腑に染みてお腹を温めてくれるようだ。
『旨い酒じゃのう、これは何という酒じゃ?』
『乱婆脳苦(ランバノック)という、椰子の実を発酵させて蒸留したお酒だそうに御座います。
少女がそう答えたのを、お順が通訳をしてそう答えた。
あまりにも旨いのと、民家の美しい娘の酌で、神事屋はどんどん杯を重ねていった。
その内に、酔が回ってきたのか、自粛していたはずのあちらの欲が、ムラムラと立ち上ってきた。
民家の娘は、どう見ても神事屋の好みのおなごである。
大酔した神事屋は、娘の手を握って、いざ狼藉に及ぼうとしたその瞬間、痛みが全身を走った。
とうとう来たのだ・・・・・痛風が・・・(爆)
続く・・・
神事屋が、思わず飛び起きた。
猛烈な、腹痛に襲われたのだ。
『かっ、厠(かわや)じゃー、かかか厠じゃー!』
もう、てんやわんやの大騒ぎである。
隣で寝ていた、リコのの身体を蹴飛ばして、便所めがけて飛び跳ねて行った。
数分後、少しすっきりした顔で戻って来たが、暫くするとまた腹痛が襲ってきて、すぐさに便所に駆け込むことを、十数回も繰り返さねばならなかった。
お陰で、リコもちっとも寝られはしない。
数分置きに便意が襲ってくるので、神事屋はここ数時間の内に、げっそりとやつれてしまった。
外でその様子を伺っていた三河屋は、その神事屋の慌てぶりを見て、声が出して笑うのを、堪えるのにもう必死であった。
(まことに、菩薩から貰ったこの甲賀秘伝の下し薬は良く効くわい、へへへ、神事屋ざまあみろ・・』
三河屋は、もう楽しくて仕方が無かった。
殺すとか何とか物騒な復讐とかよりも、三河屋はこういう復讐の方が、百倍も好きな男である。
もはや次なる手立てを考えて、神事屋を、どう苦しめるかを考えているくらいだ。
そうとも知らない神事屋は、原因不明の腹痛に悩まされ、とうとう厠で夜を明かす格好になった。
しかも、夜中に騒いだのと、明け方になっても厠を神事屋が独占していたことで、民家の家族から顰蹙を買い、可哀想なことに、そこを追い出される形になって、一行四人は再び旅の空に出た。
当の神事屋は勿論、騒ぎで寝られなかったリコや女達も、もうふらふらである。
しばらく道を歩いたが、今度は民家が全く見当たらなくなってしまった。
神事屋は、相変わらず下痢が止まらない。
時々林の方へ行き、腰を屈める作業を、幾度となく繰り返している。
亀よりのろい道中とは、このことであろう。
歩いても歩いても、次の民家が見つかるまでは、休むわけにはいけない。
地獄の行進は、炎天下の中、ずっと続けられたのである。
神事屋が、もはや脱水症状で意識を失なわんとした時に、その奇跡はおこった。
急に雲が掻き曇り、雷鳴が鳴り響き、凄まじい雨が降り始めたのである。
地獄に仏とはこのことだ。
神事屋は、すんでのところで意識を取り戻したのであった。
雨は、一刻ほどでやんだ。
神事屋一行は、元気を出して、また前へ前へと歩き始めた。
道は少々ぬかるんでいたが、先程の炎天下のことを思えば、遥かにましである。
その内に、次の民家も見つかり、一行は、そこに泊めて貰うことになった。
神事屋は、その汚れた身体をシャワーで洗い流し、横になり昨日からの疲れを取ることにした。
二刻程ぐっすり寝ると、今度はお腹が空いてきた神事屋だ。
リコに頼んで、民家の人間に食べ物を用意してくれるよう頼み込んだ。
しばらくすると、その民家の娘らしきおなごが、もち米を蒸かした饅頭なようなものと、薬にもなると言う地元の酒を用意して、神事屋の元にやってきたのである。
16~17歳位のそのおなごは、神事屋が見てもびっくりするほどの、綺麗なおなごであった。
これはこれはと思ったが、昨日の今日のことなので、自粛して食べる方にだけ専念することにした。
蒸かしたもち米のお菓子は意外に美味しく、地元の酒は胃の腑に染みてお腹を温めてくれるようだ。
『旨い酒じゃのう、これは何という酒じゃ?』
『乱婆脳苦(ランバノック)という、椰子の実を発酵させて蒸留したお酒だそうに御座います。
少女がそう答えたのを、お順が通訳をしてそう答えた。
あまりにも旨いのと、民家の美しい娘の酌で、神事屋はどんどん杯を重ねていった。
その内に、酔が回ってきたのか、自粛していたはずのあちらの欲が、ムラムラと立ち上ってきた。
民家の娘は、どう見ても神事屋の好みのおなごである。
大酔した神事屋は、娘の手を握って、いざ狼藉に及ぼうとしたその瞬間、痛みが全身を走った。
とうとう来たのだ・・・・・痛風が・・・(爆)
続く・・・
2010-02-04 06:38
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コメント(16)
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早朝からの投稿ご苦労様です・・・(ペコリ
江戸末期の呂栄国の田舎の暮らしぶりや町並みなど存知はしませんが、
今でも残るバンブーハウスだったのであろうか?
文面にシャワーなる表現がありますが気に止めるほどのことではありませんよね・・・(笑
呂栄国のスコールはシャワーと言う表現にピッタリですね。
>16~17歳位のそのおなご
いざ鎌倉、突然の痛風、さぞ悔やまれたことであう、神事屋殿!・・・(ククククク!
by kamono (2010-02-04 08:10)
鴨野さん
早朝からのコメントご苦労様です・・・(ペコリ
>今でも残るバンブーハウスだったのであろうか?
え~、そういうことにして置きましょう。(笑)
>いざ鎌倉、突然の痛風、さぞ悔やまれたことであう、神事屋殿!・・・
萬久といい、神事屋主従の不幸は続きますね。
さて、他の一行はどうなったのでしょうか?
さあ、教えて下さい!(爆)
by moimoi (2010-02-04 08:24)
ゲゲゲゲーー
通風まで再発ですか(笑
流石に通風の痛い夜は股間も・・・・(激涙
by shiNji (2010-02-04 11:19)
がっははは~
神事屋さん残念でした~
でも少々気の毒です。
この先何かいい事があるのでしょうか?
by 萬久 (2010-02-04 11:25)
そうきたか・・・・
せめて・・水浴びとかに・・・爆
あれだ
ここまで漢字で書いているんだから
かた仮名禁止ですなw
さぁがんばって かきましょーw
by (´ρ`) (2010-02-04 12:02)
神事屋さん
いぢめてごめんね!(笑)
>流石に通風の痛い夜は股間も・・・・(激涙
そうだったのですか?
辛いですな。
でも、この民家のおなごにとっては、幸いでしたな!(爆)
by moimoi (2010-02-04 17:46)
萬久さん
>でも少々気の毒です。
おお、自分の身の上を置いといても、人の身を安ずるとは・・・(感涙うるうる)
さすがに度量の広い萬久殿です!(笑)
早く、救出してあげなくては・・(爆)
by moimoi (2010-02-04 17:50)
とろ吉さん
痛風は、ビールの次に蒸留酒が駄目だそうですな!
ワインなら良いそうです。
スペイン産のワインでも、持たせて上げれば良かったのに気の毒なことです。
・・・て、書いてるのは私か!?(爆)
by moimoi (2010-02-04 17:54)
痛風が再発したのはバターに手を出そうとした罰なんでしょうか(爆)
アコは乱婆脳苦は二度と飲みません(>_<)
by こう平 (2010-02-04 18:19)
こう平どん
>バターに手を出そうとした罰なんでしょうか
見境が無いところが、神事屋さんのいい所です。(笑)
>アコは乱婆脳苦は二度と飲みません(>_<)
私は、取り返しがつかない事がしたくなった時に飲みます!(爆)
by moimoi (2010-02-04 19:12)
あははは!
いやいや、今ですから笑えますが・・・・てか御本人で無ければ解らない辛さですよね。
相当きつそうでしたから、あの時は・・・大橋虎造兄さんと共に苦しんでいましたね。
いやいや、ワロタ(爆
by 馬造 (2010-02-04 19:31)
馬造さん
>いやいや、ワロタ(爆
人の痛みは、他人には分からないものだよねえ・・・。
ですから、明日はその気分を味わってね!(笑)
おいらは嫌だけど・・・(爆)
by moimoi (2010-02-04 22:19)
甲賀秘伝の下し薬の名は、正比丸と申す(爆
by 菩薩 (2010-02-05 01:26)
ウー神事屋の描写に一言申し上げる。
バタ好みは鴨野氏であり神事屋はオールマイテイであるぞよ!
ちなみにアンヘレスで糞をたれてパンツを2回も汚したのはだれだと心得る
恐れ多くもこの大橋虎造ジヤー・・・・・
鴨野氏と悲しい一夜を過ごした思い出がよみがえる本日の日記でした(涙)
by タイガー大橋 (2010-02-05 02:35)
菩薩さん
あははは、正比丸ですか?
良いネーミングですね。
しかし、もう薬は皆さん飽きたようですね。
新たな忍術、お待ちしています!(笑)
by moimoi (2010-02-05 04:27)
大橋さん
>バタ好みは鴨野氏であり神事屋はオールマイテイであるぞよ!
なるほど、ではバタ好みは、弟子の馬造に引き継がれたのですね!(笑)
>アンヘレスで糞をたれてパンツを2回も汚したのはだれだ・・
しまった!
杏屁令巣に行くのは、タイガー大橋にすれば良かった!(爆)
by moimoi (2010-02-05 04:32)