幕末ピンパブ物語 呂宋編 第一六回 『もう一つの旅立ち』 [フィクション]
痛風になったおやじは一先ず置いといて、話を鴨野達一行に戻そう。
神事屋一行に遅れること数刻後、阿鸞を案内人にして一行は、意気揚々と提督邸を後にした。
オスカル提督夫婦は、『ほな気いつけてなあ・・・!』、と言いながら見送ってくれた。
鴨野は、『皆の者、気をひき締めて参ろうぞ!』、とハッパを掛けたが、出発からまだ一刻も経たないうちに、馬造が、『ああ、腹減ったあ』とへたりこんだので、大橋ととろ吉に、ぼこぼこにされていた。
『ああ、兄さん達、アイタタタタタタタ!』
そう言って喚いているが、実はこの男に取っては、これが快感なのである。
早めの昼食を済ました一行は、安泰幌を目指して、どんどん進んで行く。
途中で、案内人である阿鸞が、鴨野に安泰幌の説明を始めた。
彼の説明とは、こうである。
黄金と共に、安泰幌に逃れた山奥屋鶴兵衛達一行は、そこで姿を消した。
当時の安泰幌は、現在に比べて相当未開の地である。
近年は相次ぐ住宅開発で、道路事情も格段に整備されてきた。
が、当時は山越えも大変な上、山賊までもが生息している危険地帯で、オスカル提督の祖先のラスカル提督も、このゲリラ的存在に悩まされ、追跡の手を諦めざるを得なかったのだ。
オスカル提督の代になり、ラスカルの日記を元に探索してみたが、全然手掛かりが見つからない上、山賊が今でも健在なので、容易に手が出せない。
しかもその山賊は、恐らく山奥屋鶴兵衛の手下であった者達の子孫らしく、安泰幌の秘境を守るために、存在しているのではないかと言うのである。
その証拠に、今でも彼らは、日本語を使っていると言う。
全くもって謎だが、日本人のことなら日本人なら分かるだろうと言う、オスカル提督の思惑だ。
阿鸞の説明を聞いた鴨野は、(これは容易なことじゃないぞ)、と思った。
山賊がはびこっている話など、聞いていなかったからだ。
この一行で、戦闘の役に立ちそうなのは、自分と大橋、そしてとろ吉位のものであろう。
勿論、怪我をした時には良庵がいるから多少は安心だが・・・・・
鴨野は、取留めの無いことばかりを考えていた。
(そうだ、ここは萬久殿に相談してみよう。)
そう思いついた鴨野は、萬久に近づき話し掛けた。
そして、山賊の話を持ちかけたが、意外にも彼は、『全然恐れるに足りず!』、と言う。
『いざとなったら、ここに火薬弾がありますよ。』
萬久はそう言って、自分の荷物の中から、筒のような物を取り出した。
『この筒の導線に火を付けますと、中に入っている火薬に引火し爆発します、まあ、一つの火薬弾で3~4人の敵は倒せましょう。』
『ほほう!』
鴨野は驚いた。
萬久が、このような物騒なものを持っていることに、驚きを隠せなかった。
『いやあしかし、萬久殿がこのようなものをお持ちとは・・・、意外で御座るのう。』
『ああ、い、いやこれは密貿易で手に入れた物でしてな、南蛮渡来の品物で御座います。』
萬久は、内心ドキっとしながら、慌てて言い訳をした。
甲賀の飛び道具だとは口が裂けても言えない、萬久こと菩薩の化身である。
(おや、あれは・・・・・)
一行の後ろの方にいた松五郎は、目ざとくも、萬久が取り出した火薬弾を盗み見た。
(あれは、甲賀に伝わる火薬弾ではないか・・・?、何故あの男があのようなものを?)
流石に松五郎も、公儀お庭番の血を引く伊賀の忍者である。
大橋に美国猛男を盛られ、一時は廃人のように見受けられたが、これで目を覚ましたようだ。
続く・・・
神事屋一行に遅れること数刻後、阿鸞を案内人にして一行は、意気揚々と提督邸を後にした。
オスカル提督夫婦は、『ほな気いつけてなあ・・・!』、と言いながら見送ってくれた。
鴨野は、『皆の者、気をひき締めて参ろうぞ!』、とハッパを掛けたが、出発からまだ一刻も経たないうちに、馬造が、『ああ、腹減ったあ』とへたりこんだので、大橋ととろ吉に、ぼこぼこにされていた。
『ああ、兄さん達、アイタタタタタタタ!』
そう言って喚いているが、実はこの男に取っては、これが快感なのである。
早めの昼食を済ました一行は、安泰幌を目指して、どんどん進んで行く。
途中で、案内人である阿鸞が、鴨野に安泰幌の説明を始めた。
彼の説明とは、こうである。
黄金と共に、安泰幌に逃れた山奥屋鶴兵衛達一行は、そこで姿を消した。
当時の安泰幌は、現在に比べて相当未開の地である。
近年は相次ぐ住宅開発で、道路事情も格段に整備されてきた。
が、当時は山越えも大変な上、山賊までもが生息している危険地帯で、オスカル提督の祖先のラスカル提督も、このゲリラ的存在に悩まされ、追跡の手を諦めざるを得なかったのだ。
オスカル提督の代になり、ラスカルの日記を元に探索してみたが、全然手掛かりが見つからない上、山賊が今でも健在なので、容易に手が出せない。
しかもその山賊は、恐らく山奥屋鶴兵衛の手下であった者達の子孫らしく、安泰幌の秘境を守るために、存在しているのではないかと言うのである。
その証拠に、今でも彼らは、日本語を使っていると言う。
全くもって謎だが、日本人のことなら日本人なら分かるだろうと言う、オスカル提督の思惑だ。
阿鸞の説明を聞いた鴨野は、(これは容易なことじゃないぞ)、と思った。
山賊がはびこっている話など、聞いていなかったからだ。
この一行で、戦闘の役に立ちそうなのは、自分と大橋、そしてとろ吉位のものであろう。
勿論、怪我をした時には良庵がいるから多少は安心だが・・・・・
鴨野は、取留めの無いことばかりを考えていた。
(そうだ、ここは萬久殿に相談してみよう。)
そう思いついた鴨野は、萬久に近づき話し掛けた。
そして、山賊の話を持ちかけたが、意外にも彼は、『全然恐れるに足りず!』、と言う。
『いざとなったら、ここに火薬弾がありますよ。』
萬久はそう言って、自分の荷物の中から、筒のような物を取り出した。
『この筒の導線に火を付けますと、中に入っている火薬に引火し爆発します、まあ、一つの火薬弾で3~4人の敵は倒せましょう。』
『ほほう!』
鴨野は驚いた。
萬久が、このような物騒なものを持っていることに、驚きを隠せなかった。
『いやあしかし、萬久殿がこのようなものをお持ちとは・・・、意外で御座るのう。』
『ああ、い、いやこれは密貿易で手に入れた物でしてな、南蛮渡来の品物で御座います。』
萬久は、内心ドキっとしながら、慌てて言い訳をした。
甲賀の飛び道具だとは口が裂けても言えない、萬久こと菩薩の化身である。
(おや、あれは・・・・・)
一行の後ろの方にいた松五郎は、目ざとくも、萬久が取り出した火薬弾を盗み見た。
(あれは、甲賀に伝わる火薬弾ではないか・・・?、何故あの男があのようなものを?)
流石に松五郎も、公儀お庭番の血を引く伊賀の忍者である。
大橋に美国猛男を盛られ、一時は廃人のように見受けられたが、これで目を覚ましたようだ。
続く・・・
2010-02-05 04:54
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コメント(18)
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馬造さんはMっけがかるようですね(x。x)
山奥屋鶴兵衛さんを守っている女忍者も登場するんでしょうか(笑)
by こう平 (2010-02-05 06:25)
こう平どん
>馬造さんはMっけがかるようですね(x。x)
B兇が女王様だそうです!(爆)
>山奥屋鶴兵衛さんを守っている女忍者も登場するんでしょうか
鶴兵衛さんは、ご先祖様ですな!
それ以上、先走らないように・・・(ぐえへへへへへ・・・)
by moimoi (2010-02-05 06:55)
松五郎も少しは活躍するのですね。
最近は店を開けているようですからまあ良いでしょう(笑)
山奥で竹垣の店を発見!
中には大勢のせんぞかえり娘が椰子の実を割ったものをみにつけ踊っていた・・・・・???
金さんの日記に似て来たな(笑)
by タイガー大橋 (2010-02-05 08:32)
タイガー大橋さん
今朝は早いなあ・・・(笑)
>松五郎も少しは活躍するのですね。
それは少し甘いのでは・・・
期待させておいて、裏切るのは得意ですぞ!(苦笑)
>せんぞかえり娘が椰子の実を割ったものをみにつけ踊ってた・・・・・???
金さんの日記、そのものぢゃん!(爆)
by moimoi (2010-02-05 08:53)
ここはぜひともB叫と茶炉さんにも登場していただきたいものですな!
金さんの日記とは???
そんな日記があるのですか?知らなかった・・・
by 萬久 (2010-02-05 08:58)
萬久さん
>そんな日記があるのですか?知らなかった・・・
今日のコミュの日記のことです!(笑)
>B叫と茶炉さんにも登場していただきたいものですな!
あ~、ここにも先走る人がああああああああああああああああ・・・(埋める!)
by moimoi (2010-02-05 09:12)
ミドモの子孫がが安泰幌を訪れた18年前はまだマルコスハイウウェイが開通しておらず、山の中腹の別荘やレストランなどなかったのを覚えています。
一行の安泰幌を目指す集団は何となくテレビドラマのあの有名な時代劇似てます。
呂栄国だから湯船に浸かる美女などはいないであろうよな・・・(ワッハハハハ
明日も更新はあるのでしょうな?・・・(プッ
by kamono (2010-02-05 10:20)
アタシの分け前を忘れないで下され。(笑
by 神事屋 (2010-02-05 10:23)
鴨野さん
昔は山越えで大変だったと思いますよ。
今でもジープや古いトラックが、立ち往生しているのを見掛けることがありますね。
明日の更新は、どうでしょうか?
まだ原稿を書いていません。
まあ、今のままでいけば、明日は休みだから何とかなるでしょう!(笑)
by moimoi (2010-02-05 10:51)
神事屋さん
ええっ、何の分け前でしたっけ?
昔のことは忘れる性格なので・・・(爆)
by moimoi (2010-02-05 10:59)
┐(´д`)┌ヤレヤレ
その竹垣の店の中に
光芒太子がいるとw
山賊の親分でw
どだ!
by (´ρ`) (2010-02-05 12:21)
とろ吉さん
光暴大師は、山賊のおやびんかい?
>どだ!
完全に埋める!!!(激怒)
by moimoi (2010-02-05 12:44)
駅弁が抜けてるぞ!
駅弁光暴大師と正しく表記して下さい。
もしくは竹垣内駅弁光暴大師ですね。
ラロブバンブークボイラウヘッドマリボグロロこれであってるでしょうか?
埋められそうな予感。
by タイガー大橋 (2010-02-05 13:43)
タイガー大橋さん
>埋められそうな予感。
確定じゃー!!
by moimoi (2010-02-05 13:53)
また、ネーミングが閃いた(ピカッ☆
火薬弾の名は、爆竹。
又の名をバンブー(竹垣)爆弾と申す・・・らしい(爆発! ドッカ~ン
by 萬久こと菩薩 (2010-02-05 18:27)
駅弁光暴大師!
pika-!pika-!
僕はMっけ無いですよ!いぢめるほうが好きです。ぞうさんはもーっと好きですw
by 馬 (2010-02-06 00:24)
菩薩さん
>ピカッ☆
又ここにも、埋めて欲しい仲間が一人・・・(笑)
>又の名をバンブー(竹垣)爆弾と申す・・・らしい
徹底的かい?(爆)
by moimoi (2010-02-06 06:18)
馬造さん
>僕はMっけ無いですよ!いぢめるほうが好きです。
大虎共のお蔭で、知らず知らずの内に、M的性格に改造されたのだよ・・(涙
>pika-!pika-!
この男に、黄金お分け前はあるのだろうか?(爆)
by moimoi (2010-02-06 06:21)